第29回日本脳・神経外科学会総会特集(於札幌)
一般演題抄録・追加・討論—一般演題〔1〜44〕
藤永 亮三
1
,
杜 子威
1
,
神野 哲夫
1
,
水上 公宏
2
,
荒木 五郎
2
,
美原 榑
2
1足利赤十字病院脳神経外科
2脳血管研究所美原記念病院
pp.561-602
発行日 1971年5月1日
Published Date 1971/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406202907
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演題〔1〜6〕座長:半田 肇・鈴木二郎 教授
【1】急性期くも膜下出血の検討
(その実態と外科療法の問題点)
破裂脳動脈瘤が主たる原因である非外傷性くも膜下出血では,発作後早期に多くの症例が失われることに注目する必要がある。従来発作後早期に失われる症例については,入院に至らず死亡する症例が少くなくその実態は必ずしも明らかではない。そこでわれわれは過去5年間内科的保存療法を基本方針として治療された往診例を含む美原記念病院の180症例について発作後早期の実態と保存療法の限界を中心として検討した。これ等症例はいずれも文部省班研究におけるくも膜下出血診断基準6項目中の5項目を満たすものである。次いで最近の急性期手術を中心とした足利日赤における手術例38例につき早期手術の問題点につき検討して次の結論を得た。
1)180例中予後判明171例,5年間保存療法における死亡は89例死亡率は52%であつた。
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