特集−2 第31回日本脳神経外科学会総会
一般演題抄録・追加・討論—一般演題A〔47〜107〕
田村 勝
,
石田 陽一
,
神田 洋
,
岡本 幸一
pp.637-677
発行日 1973年5月1日
Published Date 1973/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406203326
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演題〔47〜56〕座長:松本 悟 教授
【47】methylnitrosourea投与によつて形成された実験的神経腫瘍
実験的に形成される神経腫瘍の成りたちを検索する目的で,下記の実験を行ない,病理組織学的,電顕的に検索した。
体重30〜409の呑竜系ラット103匹を3群にわけ,A群には10mg/kg, B群には5mg/kgのmethylnitroso.urea (MNU)を生食水に溶解し,週一回尾静脈から注入した。C群には対照として生食水を静注した。137日以上生存したAB群79の動物のなかで,A群33,B群19に腫瘍形成を認めた。腫瘍形成を示した動物の生存日数は137日から365日,投与したMNUの総量は27.4mgから89.8mgである。動物によつては多発性に腫瘍を形成したものがあり,形成された腫瘍の総数は83である。このうち73は神経系腫瘍で,他の10は瘍乳,肝,腹腔内に形成された腫瘍である。73個の神経系腫瘍の発生部位による内わけは脳脊髄12,髄膜1,脳神経8,(三叉神経6,小脳橋角部2),脊髄神経根部41,末梢神経11であつた。脳脊髄腫瘍は大部分glioblastomaまたはanaplaslic glimaの組織像を示している。神経腫瘍は索状の神経の肥厚または結節として認められ,脊髄神経根部では後根神経を主座とするものが多い。
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