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Creutzfeldt-Jacob病(CJ)は錐体路,錐体外路の症状を伴う進行性のdementiaで,組織学的にはneuro—nal loss, astrogliosis,灰白質spon—giosusなどが特徴である。病巣分布は症例によりさまざまである。本病がビールス性炎らしいことはGi—bbs (Science 165:1023, 1969)が指摘した。
さて著者らは37歳南米の家婦,入院8カ月で重症CJと決定,69歳男,数年来の痴呆にて入院重症CJと決定。この2例について光顕,電顕の精査を行なつた。1000〜4000倍で灰白質はどこにもspongy cha—nge. neuropilの空泡化部は細胞から来ている。第2例の方が軽度だが,両例ともneuron, gliaの細胞核のクロマチンが変性して塊状化。astrocyte nucleiは非常に大きく多形性。neuron, astrocyteにlipofu—scinと思われる濃い小体あり。これが内部に構造をもちelectron-palecomponentをその周囲に環状のlow-density層につつまれて持つている。髄鞘にも広汎な変化があり。30000倍以上では,2型のビールス様particleあり。もつとも多く見えるのは65〜85mμ径,球状,se—cond coatをかぶり細胞膜から遊離された感じ。全体がdense core,このものは細胞核内にはない。第2型は48mμでもつと薄くindistinctのcore,細胞外に1個ないし2〜3個存する。有髄軸索の表面にみえることもある。また別にビールス様nucleoprotein filamentが2例とも見えた。このfilamentは内空で15mμ,ordered periodicityあるように見え,破れた細胞から遊離したように細胞外にあるのが多い。
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