書評
—荻島 秀男・下村 克躬 共著—米国の医学教育と医療事情
小川 鼎三
1
1順天堂大学
pp.505
発行日 1971年5月1日
Published Date 1971/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406202898
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私が米国に留学したのは戦前の1937-38年であつて,シカゴのノースウエスタン大学とニューヘイブンのエール大学で赤核の問題その他を研究した。戦後は2度アメリカに渡つたが,これは短期間で,訪れた場所も限られていて,広く米国の医学教育の実情を知りたいと念願しながら,その機会をもたなかつた。アメリカでは医学教育も医療事情も日本とは非常にちがうことを漠然と感じていたに過ぎない。
本書を一読して,なるほどそんな訳かと,たびたび膝をたたいた次第で,荻島,下村両氏の力作がこんど出版されたことを甚だありがたく思つている。これだけ豊富な資料を収集して,纒め上げるのはたいへんな大事業であり,おそらく多忙な他の仕事の間に成し遂げたことと思うので両氏の絶大な努力に大いに敬服している。
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