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線頸動脈(CCA)血流の2/3は内頸動脈(ICA)に入るがICAのflowはECAのflow pulseと質的に異なるといわれる。血管床に使われるエネルギー(power dissipation) Wt=∫t0F (i)P(i)dt(Fli),(Pli)は同時点の(pulsatile flowとpressure)であらわされる。また抵抗Ro=Wm/(Fm)2であらわされる。mは平均である。そこでPDP 8型digitalcomputerで毎秒200 sampleをとり,LINC computer oscilloscopeで分析する。10例の40〜85歳の完全心ブロック患者でみて,心拍を46〜150/分に変えても,CCAのFmは多少の変動はあつても,heart rateとFmとはr=O.14で有意の相関を示さない。また,心拍を以上のように変えてもCCA平均血圧はr=+0.10で有意の増加を示さない。グラフに描記されると,heartrate 43でFfm 204ml/min, 98ではFm 264ml,140では192mlである。心拍42のpulsatile flowはpeak 556ml, nadir 69ml。一方心拍140ではそれぞれ293ml,127ml(Fmは上記のように204, 204, 192)である。抵抗は心拍増加につれて低下しr=0.8という高度に有意の相関を示した。Power dissipationも心拍で影響を受けない。平均Pは心拍が少なければ35%ぐらいのところにある。完全心ブロック,vasovagal spncope,不整脈で意識を失うのはICAのflow低下かと考えられるが,完全心ブロック10例ではflow, pressureともに変わつていないことを示した。
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