あとがき

　1969年はHarvey Williams Cushingの生誕100年にあたる。それを記念して米国最大の脳神経外科学会Harvey Cushing Society　（American Association of Neurological Surgeons）は4月13〜17日にCushingの生地Cleveland, Ohioでその37回目の総会を開催することになっている。

　Cushingはいうまでもなく近代脳神経外科の開祖である。そして米国のほこりうる医学方面の巨人のひとりである。その生誕100年祭を盛大に行なおうというのは当然であろう。それにしてもCushingほど弟子にめぐまれた人も少ないと思う。ちよつとかぞえただけでも，Bailey, Penfield, Vincent, Horrax, Naffziger, Cairns，Olivecrona, Fulton, Schaltenbrandなど歴史に大きな爪あとを残した人々ばかりである。現在の世界の脳神経外科をリードしているのはこの人々の弟子か孫弟子なのである。