特集 脳幹の解剖と生理
脳幹網様体の細胞構築について
萬年 甫
1
1東京医科歯科大学医学部第3解剖
pp.447-454
発行日 1967年5月1日
Published Date 1967/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406202207
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1865年に出たDeitersの脳解剖書にはすでにForma—tio reticularisの名が見えており,その図(第1図)は染色法がまだ初歩の段階だつたにもかかわらず,神経細胞と神経線維の入り混つた状態を非常によく表わしている。このような状態を解剖組織学では網様状reticularisと呼ぶが,同様のものは中枢神経系のいたるところに見られ,たとえば視床には網様核Nucl. reticularis thalami,脊髄には網様体または網様突起FormatioないしPrcces—sus reticularisという場所がある。名が似ているために機能まで似ていると想像されがちであるが,これには慎重を要すると思う。
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