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特集 睡眠
網様体と縫線核の形態学—最近の知見を中心として
Morphology of the reticular formation and raphe nuclei: From recent findings
遠山 正弥
1
Masaya Tohyama
1
1大阪大学医学部高次神経研究施設神経解剖学部門
1Department of Neuroanatomy, Institute of Higher Nervous Activity, Osaka University Medical School
pp.1021-1035
発行日 1981年10月10日
Published Date 1981/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1431905331
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網様体は白質と灰白質とが混在し,その中間的な性質を示すものをいい,延髄より中脳にかけてよく発達し,被蓋内で広い領域を占めるようになる。この領域では神経細胞は散在し明瞭な核集団を示さない。この散在する神経細胞の間を埋めるように神経線維が各方向に走り網状構造を形成する。網様体の機能的意義については現在も不明のまま残されている。生理学的には1949年にMoruzziやMagoun16)らが脳幹網様体賦活系の概念を発表して以来大脳皮質との関連が注目されてきた。いっぽう解剖学的には上述したごとく,網様体がとらえどころのない構築を示すため,長い間解析は困難であった。同様に網様体に近接して存在する縫線核についても同じ理由で形態学的検索が取り残されてきた。しかしながら近年各種トレーサ法(HRPおよびオートラジオグラフィ),組織螢光法,免疫組織化学的手法の開発により網様体・縫線核についても各種の知見が積み重ねられてきた。これらの知見の中よりわれわれの教室のデータを中心に紹介したい。
Summary
The present paper deals with the recent findings of the reticular formation and raphe nuclei. The main subjects shown in this study are as follows: 1) Cytoarchtecture, 2) Neuropeptides, 3) Mono-amine and 4) Fiber connections elucidated by tracer technique.
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