Japanese
English
研究と報告
ナルコレプシーの2例—脳幹網様体の神経生理学的知見から
Two cases of narcolepsy: with special reference to the neurophysiologic findings of the brainstem reticular formation
渡部 龍一
1
R. WATANABE
1
1福島医科大学精神科
1Department of Psychiatry, Fukushima Medical College
pp.689-692
発行日 1960年10月15日
Published Date 1960/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405200266
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
ナルコレプシーは,特異な睡眠発作と筋緊張喪失発作との合併を主症状とする一疾患であるが,その本態に関しては古くからいろいろと論議されてきた。ところが近年,睡眠,覚醒,意識ならびに筋緊張,姿態維持などに関与する脳幹網様体の神経生理学的機構が解明されてきており,この概念をナルコレプシーの発症機序の説明にもとりあげ,本症がこのような神経機構の機能的障害を意味するものであるという新しいみかたが生まれてきた。
一方,最近出現した中枢神経刺激剤のある種のものが,ナルコレプシーの治療に応用されて,卓効を奏することが知られているが,本症の観察とはまつたく別な立場から,このような薬物の作用機序に関する研究がなされ,本薬剤の第一の侵襲点こそ脳幹網様体であるとされている。
Copyright © 1960, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.