書評
—W. Sandritter. J. Schorn† 東京大学医学部病理学教室訳—図説組織病理学
石井 善一郎
1
1東京医科歯科大学医学部病理学
pp.433
発行日 1967年4月1日
Published Date 1967/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406202203
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病理学総論をおえ,各論と併行して病理組織学実習をはじめようとする医学生諸君は顕微鏡下の標本を眺めまわして溜息をつく。彼らの目にうっるものは雑然と配列された細胞の線維と複雑なComplexである。
その標本の中に,病理総論で得られた基礎知識をどのようにして活かしてゆくべきか皆目見当がつかない。総論を読み返してみても,彼らが当面している標本の中で,一体何を主病変として捕えなければならないか,またそれを言葉の上でどのように表現すべきかという問題には答えてくれない。病理総論の内容はこれらの標本から得られた所見の理論体系であるから,実習標本像を解読して総論の裏づけをすることから病理形態学に対する興味が湧きはじめてくる。
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