カラーグラビア 彩色医療図絵
東京大学医学部の本館
石原 明
1
1横浜市立大学医学部
pp.5
発行日 1971年12月1日
Published Date 1971/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661916192
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明治8年から飛躍的発展を期して,東京本郷の旧加賀藩邸あとに移転を計画していた“東京医学校”は,明治10年に完成して“東京大学医学部”となった。
明治12年にはすべての設備が完成したので4月22日に明治天皇の行幸を仰ぎ、天皇から親しくお言葉までいただいた。この記念すべき建物は当時は屋上に時計台をそなえ,日本医学の中心となっていたが,寄る年波に損傷もひどく本郷赤門右側に移されて事務所に使われ,一時は撤去のプランや犬山の明治村移転なども話題にのぼったが当事者の奔走によって修理移築され,現在は小石川植物園の中に自然の青さと調和した古いおもかげを残している。もちろん組織的な近代看護教育のはじまりの記念物のひとつでもある。東京に残る数少い古建造物のひとつ。
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