検査報告拝見 病理検査・細胞診・1
東京大学医学部附属病院病理部
志賀 淳治
pp.1334-1335
発行日 1989年9月1日
Published Date 1989/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543205720
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1,病院病理部プロトコール
病理診断は臨床医からの患者情報を基に,提出された生検もしくは手術検体から作製された病理組織(細胞)標本に基づいて行われる.血液生化学検査の場合のように数値を出すというものではなく,あくまで総合的な情報に基づく診断という目的のために,病理部に保存されているたった一つの検体についてのプロトコールも,最低臨床医からの申込書,検体それ自体に対する記録(これには写真も含まれる),検体をどのように処理して病理標本を作製したかの記録用紙,そして臨床に対する報告書から成立する.このように病理診断が出るまでにはいくつかの過程を経るわけであるが,病理報告書はその最後の結論にしかすぎない.
病理の立場としては作製標本をも含めて,このプロトコールすべてが臨床への報告と考えている.病理部から臨床には,後で説明する診断報告書のみならず標本も送られているが,臨床家の病理プロトコールの利用率は高い.
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