学会レポート 第23回日本脳神経外科学会
講演抄録・討論・総括・I—一般演題〔1〕〜〔81〕
診断法(1)—一般演題 〔51〕〜〔56〕
千ヶ崎 裕夫
1,12
,
高倉 公朋
1
,
佐野 圭司
1
,
三浦 勇夫
2
,
染田 邦幸
3
,
黒岩 義五郎
4,5
,
川越 博道
4,5
,
伊藤 和文
6
,
石川 滋
6
,
和賀井 敏夫
6
,
佐藤 収
7
,
坂田 一記
7
,
鈴木 晴雄
7
,
竹友 隆雄
7,11
,
高木 繁幸
8
,
渡辺 光夫
8
,
吉村 恭幸
8
,
高宮 義臣
8
,
牧野 博安
9
,
小林 誠一郎
9
,
明石 康三
9
,
殿塚 健司
9
,
山野 徳雄
9
,
久留 裕
10
,
原 一夫
10
,
藤野 保定
10
,
志賀 逸夫
10
,
蒲生 鉄男
10
1東大脳神経外科
2慶大神経科
3京大脳神経外科
4九大脳研脳内科
5九大勝木内科
6順大外科
7岐阜医大第2外科
8久大脇坂外科
9千葉大中山外科
10阪大放射線科
11岐阜医大外科
12東大脳外科
pp.270-272
発行日 1965年3月1日
Published Date 1965/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406201806
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〔51〕脳腫瘍の診断におけるLDH isozymeの応用
先にわれわれは血清中および髄液中の各酵素(GOT,GPT,LDH)がgliomaでは正常値より高い値を示すのに対し,meningiomaではほぼ正常範囲にとどまることを報告した。今回さらにわれわれは髄液中,および腫瘍組織中のLDH isozymeのpatternを比較検討することにより質的に脳腫瘍の種類を鑑別しようと試み,新知見をえたので報告する。
脳腫瘍患者の髄液中蛋白を高張PVPで透析濃縮した後,寒天電気泳動を行ないLDH活性をNitro-BTで染色しそのisozyme patternについて検討した,正常髄液中のLDA isozyme patternはalbumin側に泳動されるものからLI,LII,LIII,LIV,LVと命名するとLI50%,LII34%,LIII13%,LIV3%でLVはほとんど認められない。良性腫瘍に属するmeningioma, heman—gioblastoma, acustic neurinoma, pituitary adenoma,teratoma等においては,これら腫瘍組織自身のpattern と髄液中のpatternとはまつたく異なり,髄液中のpat—ternはほとんど正常の髄液のpatternを示した。このことは髄液中LDHが腫瘍組織自身に由来するものでないことを示す。
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