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特集 第24回日本脳・神経外科学会・I
シンポジウム:脳腫瘍の病理・生化学・2
Oligodendroglioma腫瘍細胞内の多角結晶様構造
Polygonal Crystalline Structures in a Human Oligodendroglioma
谷 栄一
1
1京都大学医学部脳神経外科
pp.218-224
発行日 1966年3月1日
Published Date 1966/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406202002
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I.はしがき
人体グリオーマの形態学的研究特に電子顕微鏡を用いての観察では,腫瘍細胞を構成する核および細胞小器官は,本質的に正常グリア細胞のそれらと変りなく,その分布様式および分布量に正常細胞と若干の相異が認められるにすぎず,悪性腫瘍としての明確な形態学的特異性を瞥見できないのが現状のようである3)12)18)19)20)。本症例に観察された多角結晶様構造は,正常グリア細胞および種々の中枢神経病変におけるグリア細胞では,通常観察されない特異的な形態学的特徴を示すが,他方類似の構造は他の正常および病的細胞で観察されている。しかし,従来記載された結晶様構造も,それらの形態特に結晶成分の大いさおよび排列に若干の相異があり,いかにして結晶様構造が形成され,いかなる高分子構成を有するかに関しては,満足すべき観察に欠くといつても過言でない。第6回日本神経病理学会での発表後,さらに観察した材料を中心にして,これらの諸点に関して検討する。
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