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薬剤結晶による乳び尿様の白色混濁尿
駒沢 今日子
1
,
手島 伸一
1
1同愛記念病院研究検査科
pp.209-211
発行日 2011年3月1日
Published Date 2011/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543103088
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はじめに
通常,健常人の尿の色調は,水分摂取量により黄色調は変化するが,腎において産生されるウロクロムにより淡黄色を呈し透明である.黄色以外の異常な色調や混濁を示す場合には,ビリルビン尿,血尿,乳び尿,薬剤などによる着色尿などがある.そのなかでも乳白~白色の混濁尿を示す原因には乳び尿の他,膿尿,細菌尿,塩類尿などがあるが,今回,薬剤結晶により乳び尿様を呈した症例を経験した.本稿では,白色混濁尿と尿沈渣中の結晶に触れ,本症例での白色混濁尿がニューキノロン系抗菌薬であるメシル酸パズフロキサシン(pazufloxacin mesilate,PZFX)の結晶に由来することが判明した経緯と,多量に結晶が析出された成因について考察したので報告する.
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