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1) アクリルアミド・ゲル微量カラム泳動法により髄液0.3〜0.5mlを濃縮することなしに使用して10個以上の蛋白分画に分離する方法を確立した。また分離した蛋白分画の濃度分布曲線を測定するための自記濃度計を試作した。
2) 精神神経系疾患にかかつていない外科系患者で血清蛋白の泳動像が正常な者の髄液を正常髄液として分析した。正常髄液では,プレアルブミン,アルブミン,α—リボ蛋白,α1'分画,α2'分画,疾速α2グロブリン,トランスフェリン,β2'分画,2〜3のハプトグロビン分画,γ—グロブリン,および低速α2—グロブリンなどがみとめられた。これらの分画の分離の状態と重なり合いから,髄液の泳動像をプレアルブミン,アルブミン,α—リボ蛋白,α12'分画,トランスフェリン,β2'分画,βγ分画,低速α2分画の8分画にわけてそれぞれの濃度百分率を測定した。
3) 正常血清に対する正常髄液の蛋白分画の特徴は,a)プレアルブミンの増加,b)αリボ蛋白の低下とα1',α2'分画の増加,c)β2'分画の増加,d)γ—グロブリンの減少,e)低速β下グロブリンの消失である。このうちβ2'分画は濾紙泳動でみとめられるτ分画ではないかと推測された。
4) 中枢神経系疾患時の髄液について蛋白分画の濃度百分率を測定し,進行麻痺,髄膜炎,転移性脳癌腫などに変化をみとめた。
By the disc electrophoresis, protein fractions of 0.3 ml of cerebrospinal fluid were measured using an automatic recording densitometer. Normal cerebrospinal fluid showed increase in prealbumin, albumin, and a subfraction of β corresponding to τ, and decrease in slow β fraction. Cerebrospinal fluids in some diseases were also analyzed.
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