Japanese
English
特集 神経疾患と脂質代謝
脳脊髄液と脂質
Lipid composition in cerebrospinal fluid
小野寺 良久
1
,
蓮江 正道
1
Yoshihisa ONODERA
1
,
Masamichi HASUE
1
1東京医科大学脳神経外科
1Department of Neurosurgery, Tokyo Medical College Hospital
pp.607-613
発行日 1973年6月3日
Published Date 1973/6/3
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1431903525
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I.はじめに
脳組織の50%以上は脂質成分であるとされているが,脳の脂質代謝の研究が活発に行なわれるようになったのは近年のことである。最近のこの方面の研究は,脳の脂質脂酸構成の変化を通して,脳の発育とMyelinationとの関係について検討を加えているものが多い。
しかし臨床的立場で脳の脂質代謝を論じる場台,剖険材料では臨床診断的な意味は薄く,動物実験では患者と同じ状態を作ることは不可能に近い。患者の血漿を検査試料としても,血漿中脂質は病変が全身の脂質代謝に影響を与えるような状態にならなければ変化を来たさない。
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