書評
—Nobert Wiener & J.P. Schade 編—PROGRESS IN BIOCYBERNETICS (Vol. 1)
畠山 一平
1
1横浜市大医学部生理学教室
pp.34
発行日 1965年1月1日
Published Date 1965/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406201760
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Cyberneticsが本書の編者の一人であるWienerにより唱導されてからすでに15年余の歳月が流れた。Cyberneticsの対象は自然科学にとどまらず文化科学の領域にもおよぶ広汎なものであつたので,多方面の人々の興味をひき,多くの解説書が刊行されてCyberneticsという言葉は一種の流行語にさえなつた。
しかしその内容はかならずしも明確でなく,この学門の実際的成果,とりわけ生物学者が主体となつた研究業績はあまり多くはない。一方工学者,物理学者の側からは生物の諸機能を模範として理論的数学的な模式や物理化学的な模型を作り,これを有効に利用しようとする動きがそうとう活?であつて,生物工学,blonicsなどの名のもとに行なわれている研究がどしどし発表されるようになつた。
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