グラフ MRIの臨床
in Vivo ヒト31P スペクトロスコピー
左合 直
1
1京都大学医学部・放射線科・核医学科
pp.1600-1603
発行日 1988年9月10日
Published Date 1988/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402221847
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
NMRスペクトロスコピー(MRS)は,1950年代に主に化合物の構造解析の一方法として発展した分光学であるが,パルスフーリエ変換法1)や,超電導磁石による高磁場の実現により,S/N比,スペクトル分解能は著明に向上し,近年は生体に対しても用いられるようになった.しかし,これらも当初は試料管が小さいため,摘出灌流臓器や,小動物の四肢などの,ごく限られた対象だけに行われていたものであった.一方,プロトン(1H)のNMRイメージング(MRI)装置が1980年代に入って臨床診断用断層装置として実用化され,画像のS/N比や空間分解能向上のため高磁場が必要となり,臨床用のMRI装置もMRSが可能な磁場強度をもつようになった.これにより,MRI装置によるMRS,すなわちin vivo ヒトのMRSが可能となったのである.
Copyright © 1988, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.