連載 神経化学実験法・11
RNA塩基組成微量定量法—J.—E. Edströmの方法
佐武 明
1
Satake Mei
1
1新潟大学医学部脳研究所
pp.1060-1064
発行日 1964年12月1日
Published Date 1964/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406201750
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Hydéらの学習に関する実験1)2),GomiratoらのParkinson氏病病因の研究3),Edströmらの巨大染色体の研究4)などはJ.—E.Edströmの創案したRNAのmicroextractionとその塩基成分のmicroelectrophoresis(microphoresis)の方法5)を用いてはじめて行ない得たものである。microphoresisに要するRNAの量は約500μμg (5×10−10g)である。たとえば1コのDeiters核細胞には約1500μμ暮のRNAが含まれるから,3回microphoresisを行なうことができる。また神経細胞核は約20コ集めればその塩堰組成を分析することができる。その実験誤差は,以下に述べる注意事項を厳守し,かつこの方法に熟練すれば,同一資料について,すなわち生物学的な値のふれを考慮にいれなくてよい場合,変異係数は5ないし7%6)7)である。
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