Japanese
English
治療
てんかんと利尿剤(その1)—特に炭酸脱水素酵素抑制剤を中心に
EFFECTS OF SOME DIURETICS ON EPILEPSY
中沢 恒幸
1
,
富永 淳
1
,
笠原 俊彦
1
,
川添 勇
1
Tsuneyuki Nakazawa
1
,
Jun Tominaga
1
,
Toshihiko Kasahara
1
,
Isamu Kawazoe
1
1慶応義塾大学医学部神経科
1Dept. of Neuropsychiatry, Keio Univ. School of Medicine
pp.1049-1056
発行日 1962年11月1日
Published Date 1962/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406201368
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I.はじめに
古くから痙攣発作を抑制するためにケトン食がすすめられた。これは炭水化物を制限し,もつぱら脂肪を主とした食餌をとらせ,その結果起こるacidosisを発作抑制に利用したものであつた。
この原理は1950年RoblinらによるAcetazo—leamideなる利尿剤の合成,1952年Bergstrom et al4)のてんかんに対するその薬物療法に置換されたといえる。すなわちAcetazoleamideにより脳代謝に重要な炭酸脱水素酵素Carbonic anhydrase (以下CAと略す)の働らきを抑え,脳組織のacidosisを起こし抗てんかん作用を示すのであつて,Hombroso10), Merlis11), Holo—wach7)らの臨床成績がそれを物語つている。
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