Japanese
English
治療
Kemadrin (Procyclidine)を中心にした抗パーキンソン剤の検討
CLINICAL EXPERIENCES WITH A NEW ANTIPARKINSON DRUGS
中沢 恒幸
1
,
笠原 俊彦
1
,
小宮 英靖
1
Tsuneyuki Nakazawa
1
,
Toshihiko Kasahara
1
,
Hideyasu Komiya
1
1慶応義塾大学医学部神経科
1Dept. of Neuropsychiatry, Keio Univ. School of Medicine
pp.435-443
発行日 1962年5月1日
Published Date 1962/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406201257
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I.はじめに
Parkinsonismは錐体外路系疾患の中でもつとも頻度の高い症候群(60%強)である。また人口に対する比率も高く1949年H, Mjones20)の50年間にわたる全スウエーデン人に対する振顫麻痺の比率も0.16%とでている程である。これは脳炎後Parkinsonismを含んでいないから,これも加えるとその頻度はおそらく0.2%,すなわち人口1000人の中,2人以上はParkinsonismであるとみなしてさしつかえないであろう。これほどに発生頻度の高い症候群を現在われわれはどのくらい治し得るものであろうか。
従来本症候群について良くいわれていることは加療によりある程度の効果を望み得る。しかしいわゆる根治ということはできないとされており,Schwab & England18), Sigwald, Durel & Pellerat21)らも適正な加療でたかだか15〜25%の機能の改善をみたにすぎないという。
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