演習 放射線診断学
神経放射線学・6
脳腫瘍(2)—頭蓋内髄膜腫
古井 滋
1
,
前原 忠行
1
Shigeru FURUI
1
,
Tadayuki MAEHARA
1
1東京大学医学部・放射線科
pp.2326-2334
発行日 1980年12月10日
Published Date 1980/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402216968
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はじめに
頭蓋内髄膜腫の診断は主にコンピュータ断層撮影(CT),血管造影,頭蓋単純撮影,断層撮影などによって行われる.このうちCTは最も検出率が高い検査であり,また最初に行われることが多いため,髄膜腫の診断に広く用いられていた脳シンチグラムは,最近ではほとんど行われなくなっている.血管造影はCTと並んで検出率の高い検査法であり,栄養動脈の描出,硬膜付着部(attachment)の同定,周辺の峰脈洞や脳動脈周囲への腫瘍進展の検出なども可能であることから,術前検査として広く行われている,頭蓋の単純撮影や断層撮影は髄膜腫に特徴的とされる頭蓋骨の変化の検出を目的として行われ,付着部の同定や他の頭蓋内腫瘍との鑑別に有効なことが少なくない.
本稿では,はじめに,放射線診断を理解する上で必要な頭蓋内髄膜腫の一般的な事柄について述べ,続いて,CT,血管造影,単純撮影,断層撮影を含めその放射線診断について述べることにする.
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