書評
—奥田 邦雄・高原 満男・西本 詮 著—『医学英語の書き方』
陣内 伝之助
1
1岡山大学
pp.418
発行日 1960年5月1日
Published Date 1960/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406200925
- 有料閲覧
- 文献概要
このたび奥田・高原・西本の3君が「医学英語の書き方」を共著で出版された。私は3君とも旧知でありまたかねてこの企画のあることを聞いていたが,出版された書を見るに及んで,それがかなり尨大なのに驚き,さらにその内容を読むに及んで現代医学の各分野に関して相当広範囲に親切克明に医学英語の書き方を叙述してあるのに感銘した。
私がいっも残念に思つているのは日本に幾多の立派な研究がありながら,言葉の不自由なために,広く世界に発表する機会に恵まれず,日本の医学がその真価を充分世界に認められていないことである。実際自分の研究を外国語で発表することは誰でも億劫であり,慣れないために予想外に暇がかかるのみならず,はたして自分の書いた外国語の文章が,適切な表現であるか否かという不安がつきまとうものである。この点,辞書や文法書のみでは不充分であり常に手許に置いて,いつでも安全確実な表現法を引出せる適当な参考書が欲しいものだと思つていた。
Copyright © 1960, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.