書評
—西本多美江 著—ほんとに保健婦
飯沼 鈴代
1
1東京都田無保健所
pp.601
発行日 1984年7月10日
Published Date 1984/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662206862
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眼を引かれた著者の保健婦魂
数年前から保健所たそがれ論がささやかれ,一昨年は老人保健法問題にあけくれ,そして,老人保健法の問題点を山積みしたまま,今,看護制度問題に揺れている。今,公衆衛生とは,保健婦とは何か,そして,疾病構造の変化に伴いその必要性までもが問われているのではないかと,危機感さえいだいたりもします。
学生時代の講義の中でこんなことを覚えています。保健婦のみならず看護というのは,学問体系の中では応用科学として位置づけられる。だから,基礎科学をつぎはぎしてそれで何とかまにあってしまう。無用論者の論法はこうであるが,実際は,基礎科学を総合して生活に役立てていく専門家が必要になる,ということです。
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