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あとがき
H
pp.127
発行日 1957年2月1日
Published Date 1957/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406200548
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本号は巻頭にStockholmのGösta Rylander教授の特別寄稿を掲げた。Rylander教授の滞日中の動静については広瀬貞雄博士が一文をものされているから参照されたい。極めてエネルギツシユに,しかも鋭い洞察眼で日本の現状を見て帰られたようである。
München大学で開かれたKraepelinの生誕百年記念会に出席された内村教授の「欧米視察談」のなかには都合12回の講演を行うことになつた負担の重い旅行のことが記されている。短期間の海外旅行の間にぎつしりつまつたスケジユールをかたずけてゆくのには語学の占める位置が大きい。語学が自在であつたら,海外旅行もそう負担にならないであろう。外人の場合は日本に来ても日本語を喋らなくてもよいから日本人が海外へ出かけた場合とは,その点だけでも差違があろう。Rylander教授は英,独語を自在にあやつつていたが,いかにも楽しい気さくな旅行のようであつた。惠まれた豊な自由の国の学者であるような考え方をふんだんにひらめかせていた。
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