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第1章 緒言
Berger1)による癲癇発作時の異常波,Gibbs2)等による発作間歇期の異常波の発見以来,異常脳波の癲癇診断上の価値は次第に認められ,現在では脳波は同病診断上の一義的なものとさえ考えられている。しかしその癲癇のうちで,小発作型あるいは小発作変型においては,その臨床発作中間期の脳波において相当の率に異常波を記録(Gibbs3)等によれば85〜90%)するに反して,それらの型よりはるかに多く存在すると考え得る大発作型の患者では,異常波の出現する率は少数である(前記Gibbs3)等によれば純大発作型では異常30%,軽度異常を含んで70%ある)。
このことは脳波により癲癇の診断をおこなう場合の弱点となるのであり,これをおぎなうため諸家により種々の賦活法がおこなわれている現状である。また異常波の発生に関しても実験生理学的な裏付もなく,ただ単に経験的に論ぜられるにすぎないとさえ思われる面もある。
私共の教室でも癲癇患者の脳波記録も5カ年を経過し,例数も重ねたのでこの大発作型の臨床発作中間期の異常波出現率について報告する。
We recorded routin EEG. on 133 case of epi-leptic patients, manifested clinically gland mal seizure. Cranial tumor, vessels marformation and other disease was exclusived from those recorded group.
For classification of EEG. we used Gibbs and Gibbs's standard.
(1) 59 cases (44%) classified as paroxysmal (ab- normal) EEG.
(2) most dominant paroxysmal was 5-6-7 c. p.s. slow wave.
(3) there was no correlation between percentage of paroxysmal EEG. and rate of clinical sei- zures.
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