Japanese
English
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二三神経疾患に於ける血液及び尿銅量測定に就いて—殊に肝脳疾患症例を中心にして
On the Measurement of Cupper Content in Blood and Urine of Some Nervous Diseases Especially Hepatolenticular Degeneration.
祖父江 逸郞
1
,
朝倉 幹夫
1
Itsuro Sobue
1
,
Mikio Asakura
1
1名古屋大学医学部日比野内科教室
11st Department of Internal Medicine, Nagoya Universty School of Medicne
pp.273-278
発行日 1954年9月1日
Published Date 1954/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406200414
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1912, Kinner Wilson1)は彼自身観察した6例及びGowers, Ormerd, Homen, Freirichs等の報告せる6例に就いて彼の云う所謂,進行性レンズ核変性に関し其の臨床と病理解剖所見を系統ずけて,本疾患が肝臓及び脳に特有な病変を有すると云う注目すべき膨大な報告をした。爾来,Wi-lson氏病の種々なる研究報告が臨床的,神経病学的,病理解剖学的,生化学的及び組織化学的に行われ,或程度本疾患に対する認識と理解を深めたのである。
然し乍ら其の本態が明確に究明されたわけではない。1921, Hallの命名せる肝レンズ核変性の別名に示す如く肝臓を中心とせる代謝障害,レンズ核を中心とせる錐体外路系の障害は多くの報告者も之を認めている。最近,Wilson氏病,肝硬変症の銅代謝異常がMandelbrote2), Cumings3), Huntington, Proter4), Fanke L. Sullivan5),茂在9)7),Bearn8),豊田9),沖中10),岡野11),吉川12)等に依り報告された。茲に我々の観察した肝臓疾患を始め二三の神経疾患に就いて,血液及び尿銅量の測定を中心に銅代謝の一端を研究したので,此処に報告する次第である。
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