Japanese
English
原著
産婦人科領域に於ける銅及び鉄の代謝に就いて
On the copper and iron metabolism in obstetrics and gynecology
赤水 一郎
1,2
Ichiro Akamizu
1,2
1鳥取大学医学部産婦人科教室
2鳥取大学医学部生化学教室
pp.665-673
発行日 1956年10月10日
Published Date 1956/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409201428
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
1.緒言
生体内に於ける銅及び鉄に関する業績は古くから数多く発表されて居る。即ち貧血と銅,鉄との関係1)2)及びその治療3),ヘモグロビン形成との関係4),生体内に於ける銅の意義5),銅と鉄代謝6),妊娠と貧血7)8)との関係,肝脳疾患群と銅9)10),銅塩と家兎11)12)13)排卵現象,妊婦血清による排卵14,母児鉄量15),伝染病における銅,鉄の拮抗作用16)等々多方面に亘つている。しかし之等を概観するに実験成績が必ずしも一致せず今後に残された未解決の問題が多い。又健康な非妊婦の銅鉄代謝の研究に際して月経周期の関係を考慮に入れた実験も散見する程度に過ぎない。よつて私は産婦人科領域に於いて月経周期を考慮に入れて全血銅量(Cub),全血鉄量(Feb),血清銅量(Cus)を光電比色計18)にて定量し,更にFe-Cu Index (Feb/Cub×10)を求めて銅—鉄代謝について検索を試みた。ここにその結果を報告する。
Copyright © 1956, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.