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緒言
癲癇の痙攣發作に對するPneumoencephalog-raphpy (以下PEG)の治療的効果に關しては,既にA. Bingel (1922)1)がその可能性に就て述べ,その後多くの著者によつてかゝる作用のある事が認められている。A. Bingel (1922)1, W. Tyczka (1926)2), A. Friedmann (1928)3), F. Frisch (1930)4, Vincent (1931)5)は症候性癲癇にW. Weigedt (1922)6), (1923)7), A. Friedman (1928)3), F. Frisch (1930)4)に眞正癲癇に,E. Trömner (1925)8), F. Frisch (1930)4)はPyknolepsieに効果の認められた事を報告している。然しどの例に對してもすべてよく効くのではなく,最初の提唱者のA. Bingel9)すらも1928年に至り,豫め効果があるか否か豫測出來ないし,又時がたつにつれ,効果が薄れると述べている。そればかりかPEGによつて却つて發作の誘發された症例のある事を,H. Klein (1923)10), G. Liebermeister (1924)11), L. Heidrich (1927)12), P. Emdin (1928)13は述べている。
かくの如く文献に徴するもPEGの癲癇に對する効果は,種々である事がうかゞわれるが,これらの著者は,或は眞正癲癇に,或は症候性癲癇に或はPyknolepsieに効いたと,唯その經驗例を少數例述べているだけで,如何なる型の癲癇にPEGの治療的効果が大きいか比較したものは少くE. Trömner (19258)及びF. Frish (1930)4)のPyknolepsieに最も有効だと述べたものをみるにすぎない。F. C. Grant (1932)14), W. W. Dickerson (1941)15)は比較的多數に就て,その効果をみているが,同じくこの點に就ては充分に觸れていない。
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