Japanese
English
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人胎兒脊髄より觀たる交連部通過纎維群,特に之と脊髄内交叉性上行性知覺傳導經路との關係に就て
Analysis of the Commissure Fibres of the Spinal Cord, with Special Reference to their Relation to the Long Ascending Tracts. A Study ith Human Embryo
中村 富夫
1
Nakamura, Tomio
1
1金澤醫科大學久留外科教室
1Surgical clinic, Kanazawa university Medical School
pp.292-298
発行日 1951年9月1日
Published Date 1951/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406200227
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緒言
人間の知覺經路は,脊髄に入つてより間もなく對側に交叉し,之を上行するものである事は,既に1846年Br-own-Séquardに依つて主張され,觸覺に關する點を除いては,其の後も概ね肖定されこ來た。然しながら此の見解は,脊髄半截症候群の臨床的,生理學的觀察の結果から演繹されたものであつて,之に對する解剖學的論證は今日尚十分とは言えない。
脊髄の前後兩交連部で交叉する纎維群は可成多數に認められるが,脊髄内交叉性知覺傳導經路の交叉部位に就ては,Edinger3)4)一派は前交連を,Auerbach1),Kölliker7), Bechterew2)等は後交連を重要視しており,此等交連部通過纎維群の本態,特に之と脊髄内交叉性知覺傳導經路との關係に就ては尚定説を見出し難い状態である。
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