Japanese
English
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腦の解剖學—(第8講)大腦半球
Anatomy of the Brain.:VIII. Hemisphaeria cerebri
小川 鼎三
1
Ogawa, Teizo
1
1東京大學醫學部解剖學
1Anatomy, Medical Dep't Tokyo Univ.
pp.111-117
発行日 1951年3月1日
Published Date 1951/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406200182
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發生學的には終腦Telencephalonという部分が,はじめ單一の高まりとして神經管の前端すなわち前腦胞にできるが,間もなくこれが眞ん中の不對の部分と左右の對をなす部分にわかれる。不對の部分は後に第三腦室の前上壁となる。つまり第三腦室の壁は大部分が間腦に屬するが少部分のみが終腦の不對部Pars impar telence-phaliである。
終腦が左右の大腦半球に分れることには外胚葉に嗅板Riechplaccde (胎生初期における鼻粘膜の原基)が左右にできることと密接な關係があるといわれる。終腦はもともと嗅覺と深い繋りをもつので,この考え方は一應もつともである。この説を主張するAriens Kappersはナメクジウオ(Amphioxus)では嗅板が一つしかないから大腦も左右に分れていないという。しかしナメクジウオはいわゆる無頭類Acraniaであつて,脊髓の前端のところで腦室が廣くなつていて,その壁をなす部分が腦とよばれてはいるが,それより以上の脊椎動物とは全くちがつた形の腦であつて,このものでは大腦を區別することはできない。
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