Japanese
English
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腦の解剖學(第2講)—脊髓について
Anatomy of the Brain:II. Spinal Cord.
小川 鼎三
1
Ogawa, Teizo
1
1東京大學醫學部解剖學
1Anatomy, Medical Dep't Tokyo Univ.
pp.100-107
発行日 1950年3月1日
Published Date 1950/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406200101
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1.脊髓の高さ,長さなど
まづ脊髄と腦との境をどこにおくかという問題に對しては第1頸神經の出る上端の高さをもつてその境とするのが正しい。錐體交叉の下端をもつて腦と脊髓とを境することはこの交叉が時として表面ではよく見えないのでよろしくない。骨の方から云えば,環椎の上縁がほゞその境に當る。
脊髓の下端は脊髓圓錐Conus medullarisの先端が経糸Filum terminaleに移行して一定の太さになつたところである。その高さを脊椎骨について見ると,日本人の男では第1腰椎の高さ33.3%,第1と第2腰椎の間19.0%,第2腰椎の高さ42.9%,第2と第3腰椎の間5.0%であり,同じく女では,第1腰椎の高さにあるものは全くなく第1と第2腰椎の間10%,第2腰椎の高さ70%,第2と第3腰椎の間20%である(この數字は植苗1928による)。すなわち女の方が脊髓の下端は平均して一そう低いところにある。
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