Japanese
English
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黒内障性白痴の遲發型について—小腦病理への一寄輿
On a Retarded Form of Amaurotic Idiocy:A contribution to cerebellar pathology
猪瀨 正
1
,
梶山 進
2
Inose Tadasi
1
,
Kajiyama Susumu
2
1東京都立松澤病院
2國立國府臺病院
1Matuzawa Metropolitan Psyckiatrie Hospital
2National Hospital of Konodai
pp.275-280
発行日 1950年9月1日
Published Date 1950/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406200139
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臨牀的に診斷の困難な症例は,死後の剖検によつても,その病機の本態を把握し難い場合が多いことはしばしば我々の經驗するところである。それは時には新しい疾患の發見の端緒ともなり得るが,また既知の疾患の特殊な例であることもあるし,またときにはその解決を將來に俟たねばならないこともある。しかして,中樞神經系統の病理組織學の困難の中には次に述べるような事情も與つていると思う。すなわち,一定の病的過程に特殊的であるような神經細胞の形態學的變化は黒内障性白痴を除いては,今日に至るまで,知られていないということである。
さて,我々がこゝに問題とする症例は,臨牀的にも剖檢の上でも,判定の困難なものであるが,ことにその小腦は獨特の病變を示して,文献の上には未だそのような類例をみない。我々はこゝにその症例の病理組織學的研索結果を記述すると共にその病的過程の特質を明かにしようと思う。
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