ノイリノーム線維について—嗜銀性線維の研究補遣

On the Neurinoma Fibril:A Contribution to the Study of Argyrophilie Fibers

　腫瘍の組織診斷に際して，間質をなす銀線維（格子線維）の檢索は有力なる鑑別指針とされるが，普通に應用れさるBielschowsky氏鍍銀法が中間操作の條件及び切片の種頻（凍結又はパラフィン切片）に依て，かなり組織像に相異を來すことは，あまり注意されていない。著者は耳神經ノイリノーム及び鼻咽腔線維腫の材料に就て，各種銀染色の比較を試み，併せてノイリノーム線維の本質に就て若干の考察を行つた。