頸動脈分岐部神經叢の解剖學的研究並に頸動脈毬剔出手術手技に對する批判

Anatomical research for the nervesplexus of the bifurcation of the carotid artery and the griticism for the operations-technique of the carotid body extraction

　昭和17年故瀨尾教授並に現中山教授によつて，頸動脈毬の外科が提唱せられた當時は，その效果機序の那邊にあるやの判斷に非常なる困惑を感じたるものであるが，當時の愼重なる検討の結果は，共の效果機序は頸動脈毬（以下頸毬と略稱す）自身にあつて，頸毬のみの剔出が可能であり，而も頸毬剔出のみにて必要且つ充分なりとの結論に達したのである。

　而してその手術手技は中山原法を以て最良とするとの確信を以て，頸毬の外科を提唱して來た。