特集 頸動脈毬
氣管枝喘息に對する頸動脈腺(毬)剔出手術の遠隔成績竝に適應
谷口 恒郞
1
1千葉醫科大學第二外科教室
pp.25-28
発行日 1947年10月20日
Published Date 1947/10/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407200257
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A 遠隔成績
1. 緒言 從來の氣管枝喘息に對する外科的療法の中では,Kümmell,Kappisに始る植物神經系に對する一聯の手術が最も追試を受けており,從て手術效果に對する檢討,報告は尠くないが,何れも手術效果に較べ,手術的侵襲の大なる點と,尠からざる副作用,後遺症を伴ふ點に於て遺憾とするところが尠くなかつた。試みに種々なる手術的操作を試みその效果を比較したGoebell(1928)の報告(第1表)を見ても單に死亡率の點からだけ見ても,手術的侵襲の程度を想像し得る。又本邦諸家の報告を見てもその副作用,後遺症の除去に頭を痛めており,又手術效果の點に於ても輕快の多きに比し,治癒例の尠く,且相當數の無效例を見ておる(第2表)。一面氣管枝喘息の發生原因に對する追究の足らざりしため,從て手術の適應に對する觀念の薄かりしためと,他面,近時益々有力となりつゝある。氣管枝喘息の本態とも云ひ得べき「アレルギー」の除去に對しては殆ど無力なりし點にあると思ふ。私は昭和21年末迄に手術せる患者149例に就きその手術效果竝に遠隔成績を調査した。
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