Japanese
English
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腦腫瘍の發生部位と諸種徴候,殊に病的反射との關係について
Relations between the location of Brain tumors and symptoms and pathological reflexes
西川 光夫
1
,
福原 德光
1
,
冲中 重雄
2
Mitsuo Nishikawa
1
,
Yosimitsu Hukuhara
1
,
Shigeo Okinaka
2
1東京大學醫學部
2東京大學
1Tokyo U.
2Tokyo U
pp.46-56
発行日 1948年11月1日
Published Date 1948/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406200007
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1896年,BabinskiがBabinski反射を記載して以來神經病學に於て占めた位置は大きなものがある。その後Schaefer, Oppenheim, Go-rdon, Chaddock更にMendel-Bechterew,Rossolimo等種々の病的反射が記載せられ,之等はいづれも錐體路障碍の1症候となつて居る。時にBa反射陰性で爾餘の反射の何れかゞ出ることもあるが,大多数はBa反射が最も出易く,之を以て錐體路障碍の根據とし,爾餘は補助的な意味を持つに過ぎない觀があつた。今日一般成書にも,上述諸反射を以て錐體路損傷の診斷上重要な根據として記載されて居るが,その一々には特別の意義なく並列的に錐體路障碍の症候として列記し,その何れか一つの出現で陽性成績として居る。
然るにBa反射が唱へられてから50年間に本反射乃至錐體路症状をめぐつて臨牀上種々の不合理が發見せられ,之に對する種々の見解が多数に發表されるに至つた。一般に錐體路障碍には隨意運動麻痺,筋緊張の亢進,腱反射の亢進,病的皮膚反射の出現,筋萎縮輕度電氣變性反應陰性等の諸症状を伴ふとされて居るが,以上の見解には種々の疑義の存することあり,冲中が考證した如く腱反射亢進にしてもその發生機轉に關し諸家の異なつた見解がある。
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