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皮膚の組織呼吸を基調とせる皮膚機能と諸種ビタミンとの關係に就て
岡野 基
1
1京都府立醫科大學皮膚科泌尿器科教室
pp.85-89
発行日 1954年2月1日
Published Date 1954/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491201149
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I.緒言
Vitaminと皮膚との關係に就ては或種のVit-amin例之Vitamin C,Vitamin B2,VitaminB6,Vitamin A等の缺乏に依り夫々特異の皮膚症状を惹起せしめ,或は特殊皮膚疾患發現の基底乃至或る種皮膚疾患發現の準備状態となり,更に又諸種Vitamin製劑が臨床上に應用され或る種皮膚疾患が輕快乃至治癒せられる事實等が明かにされ,以つてVitaminと皮膚とが密接な關係にあることが注目されるに至つた。而して本問題に關する實驗的報告並に臨床的觀察は枚擧に遑がない。然れ共皮膚機能が諸種Vitaminに依り如何に影響せらるるかに就ては諸種臨床的事實に依り更に嘗て尼ケ崎1)に依り行われた過剩VitaminAと皮膚感受性及び竹内2)に依り行われた化膿菌感染と諸種Vitaminなる實驗的研究等に依り想像さるるに過ぎず,直接的な實驗報告はない。
我教室に於ては數年來皮膚機能に關する研究を行いつつあるが,先に石田3)は皮膚機能を測知する方法として皮膚の組織呼吸を示標とすべき所以を主張し,之が實驗的研究を行つた。
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