Japanese
English
脳・脊髄のMRI画像アトラス
てんかん重積症例における大脳皮質限局の一過性病変
Transient Lesion in the Isolated Cerebral Cortex in a Case with Status Epilepticus
金澤 雅人
1
,
挽野 素子
1
,
小出 隆司
1
,
石黒 英明
1
1秋田赤十字病院神経病センター神経内科
pp.434-435
発行日 2004年5月1日
Published Date 2004/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406100288
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- Abstract 文献概要
症 例 63歳,女性
既往歴・家族歴 特記事項なし。
現病歴・経過 小児期より,左上肢から始まる二次性全般化痙攣があった。2003年1月よりバルプロ酸(VPA)400mg内服で管理したが,内服は不規則であった。10月16日,18日に二次性全般化痙攣と見当識障害があり,10月22日当科を受診した。神経学的には見当識障害がある以外は特に異常なかった。しかし,頭部CTで右大脳の皮質と白質の境界不明瞭が認められ,同日入院した。入院時,血液・髄液検査は乳酸,ピルビン酸値も含めて基準値内であった。その後10月23日(第二病日)より二次性全般化痙攣重積状態となった。そのためチアミラール持続投与とVPAおよびカルバマゼピン併用投与で痙攣をコントロールした。てんかん重積状態下の10月23日のMRI(図1)T2強調およびfluid-attenuated inversion-recovery(FLAIR)画像で右大脳皮質に限局した高信号域を認めた。脳波所見を参考にチアミラール投与量を増減し,中止後も痙攣再発なく,10月31日のMRI(図2)では重積時に認めた高信号域は消失し,軽度の痴呆あるのみに改善し11月14日当科を退院した。
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