Japanese
English
特集 神経内分泌学の進歩
1.CRFファミリーペプチドと摂食障害
CRF Family Peptides in Feeding Behavior and Eating Disorders
新井 桂子
1
,
芝﨑 保
2
Keiko Arai
1
,
Tamotsu Shibasaki
2
1あらいクリニック
2日本医科大学生理学第二講座
1Arai Clinic
2Department of Physiology, Nippon Medical School
キーワード:
corticotropin-releasing factor(CRF)
,
urocortin
,
CRF family peptide
,
CRF receptor
,
feeding behavior
,
eating disorder
Keyword:
corticotropin-releasing factor(CRF)
,
urocortin
,
CRF family peptide
,
CRF receptor
,
feeding behavior
,
eating disorder
pp.371-378
発行日 2006年5月1日
Published Date 2006/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406100165
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要旨 Corticotropin-releasing factor (CRF)は,種々のストレスに反応して生じる自律神経系,免疫機能,情動,摂食行動などの変化の発現に重要な役割を担っている。CRFは,G蛋白共役型受容体であるCRF受容体1と,CRF受容体2を介してその作用を発現する。また,これらの受容体に結合するCRFファミリーペプチドとして,ウロコルチン 1 (Ucn 1),Ucn 2,Ucn 3が発見され,Ucn 1はCRFよりも強くCRF受容体1とCRF受容体2の両者に,Ucn 2とUcn 3はCRF受容体2にそれぞれ結合して作用を発現する。絶食ラットでのCRFとUcn 1による摂食抑制作用はCRF受容体2を介して生じ,自由摂食下のラットでのCRFファミリーペプチドによる摂食抑制にはCRF受容体1とCRF受容体2が関与することが示されている。拘束ストレス,心理ストレスなどのストレスによる摂食抑制機序および心理ストレスがその発症に強く関与している中枢性摂食異常症の病態には,CRFファミリーペプチドと,CRF受容体1,CRF受容体2が関与していると考えられる。
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