Japanese
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特集 神経内分泌学の進歩
2.性腺刺激ホルモン分泌の中枢性調節
Mechanism for Controlling Gonadotropin Secretion by the Central Nervous System
舩橋 利也
1
,
貴邑 冨久子
2
Toshiya Funabashi
1
,
Fukuko Kimura
2
1横浜市立大学大学院医学研究科神経内分泌学部門
2国際医療福祉大学
1Department of Neuroendocrinology, Yokohama City University Graduate School of Medicine
2International University of Health and Welfare
キーワード:
positive feedback
,
negative feedback
,
estrogen
,
progesterone
,
γ-aminobutyric acid
Keyword:
positive feedback
,
negative feedback
,
estrogen
,
progesterone
,
γ-aminobutyric acid
pp.381-389
発行日 2006年5月1日
Published Date 2006/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406100166
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はじめに
生殖機能の調節は,視床下部-下垂体前葉-性腺系のそれぞれから分泌されるホルモンが相互作用を持つことにより行われている。すなわち,視床下部には性腺刺激ホルモン放出ホルモン(gonadotropin-releasing hormone : GnRH)ニューロンの細胞体が存在し,正中隆起部に神経終末を送り,下垂体門脈中にGnRHを分泌する (図1)。分泌されたGnRHは下垂体前葉へと運ばれ,性腺刺激ホルモン(ゴナドトロピン)産生細胞に作用し,ゴナドトロピン,すなわち黄体形成ホルモン(luteinizing hormone : LH)および卵胞刺激ホルモン(follicle-stimulating hormone : FSH)の分泌を促す。これらゴナドトロピンは血流により性腺へ運ばれ,雄性動物の場合は精巣に作用し,精子形成などの精巣機能を調節するアンドロジェンの分泌を促す。雌性動物の場合は卵巣に作用し,卵胞発育,排卵,および黄体維持などの卵巣機能を調節し,エストロジェンおよびプロジェステロンの分泌を促す。性腺ステロイドホルモンは,視床下部-下垂体前葉へフィードバックし,結果的に自身の分泌を調節する。また,視床下部は,神経性および体液性の情報を統合し,GnRHの分泌を修飾している。なお,FSHの分泌に関しては,下垂体前葉に作用するインヒビンも重要な分泌調節因子である。
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