特集 ホルモンと生理活性物質
各論
12.循環調節液性因子系
1)ナトリウム利尿ペプチドファミリー
菅 真一
1
,
伊藤 裕
1
,
田中 一成
1
,
中尾 一和
1
Shin-ichi SUGA
1
,
Hiroshi ITOH
1
,
Issei TANAKA
1
,
Kazuwa NAKAO
1
1京都大学医学部第2内科
pp.228-232
発行日 1994年10月30日
Published Date 1994/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542902236
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生合成・分泌・機能
1984年Matsuoらによりatrial natriuretic peptide(ANP)が単離・構造決定されて以来1),血圧・体液量調節に関与する心臓ホルモンおよび神経ペプチドとしてのANPが注目されてきた.1988年には第2のナトリウム利尿ペプチドとしてbrain natriuretic pe-ptide (BNP)が2)さらに1990年には第3のナトリウム利尿ペプチドとしてC-type natriuretic peptide(CNP)が3)いずれもMatsuoらによりブタ脳から単離され,ナトリウム利尿ペプチドは異なる遺伝子に由来するナトリウム利尿ペプチドファミリーを形成することが明らかになった4).
一方,ナトリウム利尿ペプチド受容体に関する研究も進展し,1988年のクリアランス受容体クローニングに続いて1989年には膜型グアニル酸シクラーゼそのものである2種類の受容体,ANP-A受容体(GC-A)とANP-B受容体(GC-B)がクローニングされた5).
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