「精神医学」への手紙
Letter—ギランバレー症候群患者の性格傾向と機能予後
大西 次郎
1
,
横山 和正
1
1兵庫県立総合リハビリテーションセンター神経内科
pp.110
発行日 1996年1月15日
Published Date 1996/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405904033
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ギランバレー症候群(GBS)の急性期にある患者さんにとり,闘病意欲のあることは,むしろ病気自体の自然経過に負の作用をもたらすのではないかと,本誌で以前推察しました1)。その後,類似のエピソードを聴取する機会もあり,GBSの治癒を遷延させる要因の1つとして,特定の性格傾向が挙げられるのではないかと考えました。このことから,今回一定の条件を満たすGBSの患者さんの協力を得て,性格分析を目的とした検査を行いました。
対象は過去4年間に四肢の運動機能訓練目的にて当院に入院したGBSの患者さんで,以下の要件すべてを満たした8例のうち,追跡可能であった5例です。①発症4か月を経てなお両上肢末梢の筋群で抗重力運動が不可能であり,②急性期に血漿交換ないし大量免疫グロブリン療法を施行されておらず(ステロイド使用は可),③末梢刺激による誘発筋活動電位検査により軸索型GBSではないと考えられた例。各人に調査の目的を説明し同意を得た上,東大式エゴグラム2)を施行しました。
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