「精神医学」への手紙
Letter—ギランバレー症候群の急性期に“闘病心”は逆効果?
大西 次郎
1
,
横山 和正
1
1兵庫県立総合リハビリテーションセンター神経内科
pp.785
発行日 1995年7月15日
Published Date 1995/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405903920
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ギランバレー症候群(GBS)は一般には機能予後の良好な末梢神経疾患ですが,病状が遷延して後遺症を残す場合もあり,これは軸索障害が強いタイプに多いとされています。ただ,末梢での誘発筋活動電位で鑑別しますとGBSの多くを占める,振幅低下が少ない脱髄型と思われる患者さんでも,似たような経緯をとる例があります。これにはいろいろな要因が関与すると思われますが,患者さん自身の心理には注意は向けられていないようです。
対症療法のみで経過した脱髄型GBSの男性が,発症10か月後もなお歩行困難のため入院されました。彼が四肢麻痺・呼吸筋麻痺に至った時期を振り返って「自分は病気に絶対に打ち勝ってみせるとずっと考えていたが,その間は病気は休まず進行した。」「ある日,“もうだめだ,この病気にはかなわない”と思った。まさにその日から回復が始まった。」という意味の内容を強調されました。
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