Japanese
English
研究と報告
Folie à deuxを呈し“宇宙語”で交話する1夫婦例
A Married Couple Case of “Folio à deux” Communicating with Each Other by “Space Language”
堀端 廣直
1
,
郭 哲次
1
,
坂口 守男
1
,
小野 善郎
1
,
百渓 陽三
2
,
吉益 文夫
1
,
東 雄司
3,4
Hironao HORIBATA
1
,
Tetsuji KAKU
1
,
Morio SAKAGUCHI
1
,
Yoshiro ONO
1
,
Yozo MOMOTANI
2
,
Fumio YOSHIMASU
1
,
Yuji HIGASHI
3,4
1和歌山県立医科大学神経精神科
2ももたにクリニック
3和歌山県立医科大学
4麦の郷障害者地域リハビリテーション研究所
1Department of Neuropsychiatry, Wakayama Medical College
2Momotani Clinic
3Wakayama Medical College
4Muginosato Community based Rehabilitation Research Center
キーワード:
Folie à deux
,
Psychosis of association
,
Symbiosis of married couple
Keyword:
Folie à deux
,
Psychosis of association
,
Symbiosis of married couple
pp.297-302
発行日 1995年3月15日
Published Date 1995/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405903841
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【抄録】夫婦の間で約5年間持続した二人組精神病について報告した。二人で鍼灸治療所を開いていたが,妻が宇宙からの通信を受け始め,被害妄想も生じた。1か月後には,夫も宇宙からの通信を受け始め同様の妄想を持った。
夫婦は,鍼灸業は停止し,近隣から孤立していった。約2年後に夫は“宇宙語”と称する言葉をしゃべり始め,その半年後には妻も同調し,“宇宙語”による夫婦間の交話が約2年間続いた。二人は不穏行為などで,トラブルを頻繁に起こしていたが,夫の父親が近所の人々からの苦情などに対応し,当人たちに経済的援助もしていた。夫婦の精神科治療への導入は困難であったが,通行人への暴力行為を契機として,妻が措置入院となり約4か月後,軽快退院した。夫は妻との分離後,約3週間目には妄想をなくしていた。感応の成立過程とその方向,“宇宙語”での交話によって夫婦の共生的関係が強くなり,父の庇護により二人の感応精神病が持続したことについて考察した。
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