Japanese
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展望
精神科診断学の基本問題—記述・了解精神病理学について
The Basic Principle of Psychiatric Diagnostics: on descriptive-comprehensive psychopathology
諏訪 望
1
Nozomi SUWA
1
1埼玉医科大学神経精神科センター
1Neuropsychiatric Center, Saitama Medical School
キーワード:
Operationally defined diagnostic criteria
,
General psychopathology of Karl Jaspers
,
Descriptive-comprehensive psychopathology
Keyword:
Operationally defined diagnostic criteria
,
General psychopathology of Karl Jaspers
,
Descriptive-comprehensive psychopathology
pp.232-241
発行日 1995年3月15日
Published Date 1995/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405903833
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■はじめに
現代の精神医学における潮流の一つとして,主としてアメリカで開発された操作的診断基準の実用化を挙げることができる。国際的な協同研究,特に精神疾患の疫学的研究や生物学的研究の場合には,診断名の統一が絶対必要条件であるので,その目的に適う操作的診断基準の価値を否定する人はない。
この問題に関しては,筆者も1981年以来,折に触れて見解を述べてきた25,27,28)。ところで,この操作的診断基準開発の背景には,Meyer, A. とFreudの思想の影響,つまり,診断名決定ということにあまり重点を置かない傾向を改善するための対策という,アメリカ特有の事情があったことも見逃せない。いずれにしても,我々は精神医学の歴史の中で,精神科診断学の基本的な在り方について,反省をこめて絶えず公正な道を開拓していくことを忘れてはならない。
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