巻頭言
精神医学の卒前教育について
三浦 四郎衛
1
1東京医大精神医学教室
pp.1206-1207
発行日 1986年11月15日
Published Date 1986/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405204237
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「精神医学」編集室から巻頭言執筆の依頼をうけた。私も主任教授に就任して来年でちょうど10年となる。医学教育の理念,技法ともに改革をせまられている現在の社会状況下において,私の精神医学教育の反省を含めて,浅学非才を顧みず,あえて筆をとった次第である。
過日,私がかつて御世話になった精神病院の経営者であり,院長である先生の叙勲祝賀会に招かれての席上で,ある医師会の先生(精神科医ではない)のスピーチの中に,「最近,町を歩いている人の中で,10人に1人は精神病者がいるという話しだが,これは一体どうなっているのか。私達も気をつけなければ危険である。」というようなことを言われた。私はこの話をきいて大変な精神的ショックをうけた。
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