Japanese
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特集 不眠症の治療と睡眠薬
睡眠薬依存および関連する症候群
Hypnotic Dependence and Related Syndromes
内山 真
1
Makoto Uchiyama
1
1日本大学医学部精神医学系
1Department of Psychiatry, Nihon University School of Medicine, Tokyo, Japan
キーワード:
Sleep
,
Hypnotics
,
Dependence
,
Abuse
,
Withdrawal
Keyword:
Sleep
,
Hypnotics
,
Dependence
,
Abuse
,
Withdrawal
pp.991-999
発行日 2018年9月15日
Published Date 2018/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405205676
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はじめに
近年,ベンゾジアゼピン系ないし非ベンゾジアゼピン系化合物などのベンゾジアゼピン受容体作動薬について不眠症治療の観点から多剤大量療法が,疫学的観点から長期使用が,薬物依存の観点からは習慣性や乱用が問題として指摘されている13)。これに加えて日本においては,常用量依存ないし臨床用量依存(以下,「常用量依存」で統一)という用語が,精神医学を中心にしばしば使われている11,17)。それぞれの用語が取り扱う専門分野によって,基本的定義を離れて使われることがあり,臨床場面においてはしばしば概念の混乱が起こっている17)。DSM-52)において,新たに物質使用障害という診断名を導入して臨床における概念の明確化がなされた。
本稿では,まず依存に関連する用語についてまとめ,DSM-5における物質使用障害に関する考え方を紹介し,いわゆる常用量依存の概念を含め,睡眠薬の問題使用について臨床的観点から考える。
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