Japanese
English
研究と報告
5年間の不登校児のグループワーク—参加児の診断と社会および学校への適応
Group Work for School Refusal Children during 5 Years: diagnosis of participants and their adaptation to society and school
吉川 領一
1
,
大谷 修史
1
,
角田 恵子
1
,
宮尾 美代子
1
Ryoichi Yoshikawa
1
,
Syuji Ohtani
1
,
Keiko Tsunoda
1
,
Miyoko Miyao
1
1長野県精神保健センター
1The Mental Health Center of Nagano Prefecture
キーワード:
School refusal children
,
Group work
,
Group psychotherapy
,
Borderline personality disorder
Keyword:
School refusal children
,
Group work
,
Group psychotherapy
,
Borderline personality disorder
pp.733-739
発行日 1991年7月15日
Published Date 1991/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405903079
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【抄録】 長野県精神保健センターにおける不登校児のグループワークは,1985年5月から,中学生・高校生を中心とした外来デイケアという形式で始められ,1990年3月で5年を経過した。このグループワークの目的は,不登校の子供たちに居場所を提供し,同じような状態像をもつ子供たちとの交流の中で,集団精神療法的な治療やレクリエーションを行い,学校適応や社会適応の方向を目指そうとするものである。社会や学校への適応状況を診断の面からみると,神経症の範疇の子供は,社会や学校によく適応していたが,精神病の範疇の子供は適応がよくなかった。また人格障害の範疇の子供は境界人格障害の子供を除いて,よく適応していた。境界人格障害の子供については,グループワークにおける治療の困難性が問題となった。特にグループワークに導入される前に形成されていた治療者との枠組み設定が,グループワークに参加後も維持できるか否かが治療上の鍵であった。
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